福岡県は、「ワンヘルス」推進に関する講演会で、架空の準備時間などを計上して規定を超える謝礼金を講師に支払っていたことを明らかにしました。2023年度から3年間で26回の講演会が対象となり、総額は128万円余りに上ります。服部誠太郎知事は18日、「非常に課題がある」と述べ、調査と規定の見直しを進める方針を示しました。
続きを読む: ワンヘルス講演で謝礼増額の不正処理について調査/福岡福岡県は、「ワンヘルス」(人と動物の健康および地球環境を一体的に考える理念)の推進に関連した講演会において、講師への謝礼金を不適切な手続きによって増額して支払っていたことを明らかにしました。
対象となった期間は2023年度から昨年度までの3年間で、計26回の講演会が該当します。県の発表によると、講師15人に対し、実態を確認しないまま打ち合わせや資料作成の時間分を加算し、総額およそ129万円の謝礼金を支払ったとされています。
当時の県の規定では、講師への謝礼金は役職や実績などに応じて1時間あたり数千円程度の3段階の単価が設けられており、講演時間のほか、資料作成や打ち合わせの時間なども踏まえて金額を算出することになっていました。しかし実際には、県と講師の間で事前に取り決めた金額に合わせるために、県の担当者が打ち合わせや資料作成の時間を算出して書類に記載していたということです。県はこうした処理について「相場感を反映した額を講師に提示した上でその額に合わせる処理をした。不適切だった」と説明しています。
この問題では、福岡県議会の藏内勇夫議長(世界獣医師会長)が2024年に行った講演についても取り上げられています。資料作成などの時間が加算された結果、およそ1時間の講演に対して10万円の謝礼金が支払われたということです。県は、「当時、次期世界獣医師会会長だった藏内氏に対し、世界の有識者に10万円を支払った実績があることを踏まえ、同額を支払った」と説明し、金額自体は妥当との認識を示しました。
服部誠太郎知事は18日、福岡市内で記者団の取材に応じ、「実際に準備にかかった時間を講師側に確認することを担当者が行っていなかったことは非常に課題がある」と述べました。また、県民から疑念を持たれることがないよう、見直しと改善を図る必要があるとの考えを示しました。知事はさらに、「単価表だけでは担当者も判断が難しい。講師の格付けの基準をより明確にし、支出の証拠書類にも適切に記載するよう改めるべきだ」と述べました。
県はこの問題を受け、財政課に対して調査を指示しており、11の部において3万円以上の謝礼金を支払ったケースを対象に、同様の加算事例がなかったかどうかを調べています。調査結果を踏まえ、謝礼金の規定についても見直しを検討する方針です。
今回の問題で謝礼金の経費執行は課長決裁で行われており、知事には執行段階で報告が上がっていなかったとされています。知事は担当課長から事情を聴取した上で記者団の取材に対応したと説明しています。

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