大麻や覚醒剤などの違法薬物を営利目的で所持し、密売していたとして、東京や大阪、福岡などに住む男女12人が逮捕されました。警察は、押収された薬物の末端価格を約1億円とみており、密売グループの全容解明を進めています。
警察によると、大麻取締法違反などの疑いで逮捕されたのは、東京都江戸川区の無職・藤渡啓之容疑者（41）を含む30代から70代の男女12人です。藤渡容疑者らは昨年10月、佐賀県みやき町の民家で、大麻約12キロや覚醒剤約63グラムを営利目的で所持していた疑いが持たれています。
捜査関係者によると、藤渡容疑者らは少なくとも2020年7月から、東京、大阪、福岡、佐賀などの民家や集合住宅を拠点に、大麻や覚醒剤、コカインなどを所持し、「宅配便」や「手渡し」で密売していたとみられます。事件は、福岡県内で発生した別の覚醒剤事件の捜査をきっかけに発覚しました。
警察が押収した薬物は以下の通りです。
- 大麻 約16.5キロ
大麻リキッド 672本
液体大麻 約200グラム
覚醒剤 約71グラム
コカイン 約444グラム
MDMA 9錠
ケタミン 約99グラム
この中でも、大麻の押収量は福岡県警として過去3番目の規模となります。また、一度の摘発で7種類もの違法薬物が押収されるのは異例だということです。
逮捕された12人のうち、藤渡容疑者を含む6人の「売人」グループは、取り調べに対し概ね容疑を認めています。一方、客とみられる6人のうち一部は容疑を否認しているということです。
警察は密売グループが組織的に薬物を供給し、暴力団の資金源になっていた可能性も視野に捜査を進めています。
