知人女性に暴行を加え死亡させたとして傷害致死罪に問われた58歳の被告に対し、大分地裁は懲役10年の実刑判決を言い渡しました。裁判官は犯行の執拗さを指摘しつつも、被告の反省や治療意欲を考慮しました。
2023年8月、大分市の無職、小森芳美被告(58)は、自宅や周辺で知人の後藤マユミさん(当時67歳)に3日間にわたり暴行を加え、死亡させた罪に問われていました。被告は日常的に被害者に暴力や暴言を繰り返しており、犯行は偶発的ではないと認定されました。
20日の判決公判で、大分地裁の辛島靖崇裁判長は「高齢かつ無抵抗の被害者に対する執拗で危険な暴行は重大な結果を招いた」と述べました。一方で、被告が反省の意思を示し、パーソナリティ障害の治療に意欲を見せている点も考慮され、検察の懲役12年の求刑に対し、懲役10年の実刑判決が下されました。
裁判員裁判として進められた本件では、判決後に裁判員の記者会見が行われ、参加した30代の女性は「量刑の判断は非常に難しかった」と述べました。裁判員たちは、被告の障害が犯行にどれだけ影響を及ぼしたのかを慎重に議論したといいます。